札幌高等裁判所函館支部 昭和29年(う)11号 判決
本件記録によれば、原審において認定した被告人の犯罪事実は起訴状記載の公訴事実と同一であり、有限会社西野モータース商会の取締役である被告人が同会社の業務に関し古物営業をなしたものとして有罪の判決を言渡したこと及び、前記会社が自動車の新車の売買を業とすることを目的とする会社であることは所論のとおりである。しかし乍ら自動車の新車の販売には中古車の取引を関連せしむることが商省略上有利であることは之を推認し得るのであるが、新車営業には常に中古品業務が当然附随すると認むべき資料がない許りでなく、古物営業法によれば、無許可の古物営業は之を禁止されており、その営業が独立した営業であると又附帯業務であるとについては何等の区別を設けていない。等しく許可を要することは多言を待たないから被告人の所為が会社の代表者として会社の附帯業務としてなされたものであるとしても、無許可営業を正当化すべき理由とはならない。原判決が無許可営業と認めたのは正当にして法令の解釈を誤つた違法はなく、論旨は理由がない。